尼崎文学だらけ~夏祭り~レポート

2017年8月27日(日)11~16時に
阪神尼崎駅から徒歩5分の尼崎市中小企業センターにて
文芸誌・創作文学同人誌展示即売会
「尼崎文学だらけ~夏祭り~」が開催されました。
http://necotoco.com/nyanc/amabun/

おお、過去形ですね。
そう、1週間前に終わったのですよー!
なのでレポートなどを書いてみようと思いつつ、
何から書き始めていいか、悩んでいます。

1.数字の話
まずは数字の話などしましょうか。
来場者数は、カタログベースでだいたい150人くらいでした。
前回が100人くらいだったので、だいたい50%アップですね。
ありがたいことです。
出店者数が増えた(ブース出店:33→50、委託出店:23→16、合計:56→66)
ことによる宣伝効果と、
チラシを尼崎市内中心にたくさん撒いたことによる宣伝効果だと思います。
宣伝くださった出店者方、ありがとうございました。
チラシを置かせてくださった施設さま、ありがとうございました。
FMあまがさき・尼崎経済新聞・神戸新聞などにも取り上げていただき、
たいへん感謝しています。

頒布部数の話。
わかるのは委託ブースおよびWeb通販のみになりますが、
委託ブースでは207冊の頒布があり、前回の179冊と比べて15%の上昇がありました。
Web通販では201冊の注文があり、前回の149冊と比べて34%の上昇がありました。
出店者さんのブースでもそれなりの数が出たのではないかと推測します。

2.アンケート
つづいて、アンケートをひもといてみます。
今回入口にアンケートボックスを設置しておりましたところ、
15枚の回収がありました。

a. このイベントをどうやって知りましたか?(複数回答可)
チラシ……2
あまぶんウェブサイト……2
ツイッター……9
知人から……6
ケットコム……1

→思ったよりツイッター経由の方、知人の紹介で来られた方が多いようでした。
次回はもっとチラシも充実させたいと思います。

b.販売物をどのくらい購入されましたか?(無料配布含む)
買ってない……3
5点以下……4
5~10点……7
10点以上……1

→ざっくりで平均するとひとりあたま5点くらいでしょうか。
ちなみにWeb通販の購入数もだいたいそのくらいです。

c. 気になったジャンルを教えてください(複数回答可)
純文学……4
詩歌……4
JUNE……2
大衆小説……7
ライトノベル……6
ファンタジー……8
そのほか……2
特にない……1

→ファンタジーはだいたいのイベントにおいて人気ジャンルですね。
ほか、大衆小説・ライトノベルをお求めの方が多いようです。
出店者数に比較すると、ライトノベル・詩歌の人気が目立ちます。

d.満足したものを教えてください(複数回答可)
見本誌コーナー……14
ガイドブック……4
ウェブサイト……4
チラシ……3
場内の空調……4
場内の広さ・ゆとり……6
販売物の量……5
販売物の質……7
販売物の種類の豊富さ……5
だらけブース……5

→ほとんどの方が見本誌コーナーを挙げる結果となりました。
次回はもっとみやすく、探しやすく設置したいと思います。
また、販売物の量・質・種類の豊富さにも評価いただきました。
場内のゆとりに関しては、BGMも良かったのではないかと考えています。

e.不満だったものを教えてください(複数回答可)
場内の空調……1
ウェブサイト……1
チラシ……1
販売物の量……1
ウェブサイトとチラシがちょっと探しづらい
ツイッターのRTが多すぎてうっとおしい
搬出のこと

→いろいろと反省点があります。
次回に向けて、修正したく考えております。

f.一番気になったブースを教えてください
FT書房
新天使出版会(ヤミークラブ)
夜間飛行惑星
今田ずんばあらず
Picnic
つばめ綺譚社
眠る犬小屋
水銀
委託販売…3
すべて

→多くのブースを挙げていただきました。
委託販売は分かりやすく設置したつもりでしたので、
見ていただいてありがたいです。

g.イベント全体を100点満点で評価すると何点ですか?
最高点……100点
最低点……60点
平均点……84点

→おおむね高い評価をいただき、ありがとうございます。

h.点数の理由や、そのほかお伝えしたいことがあれば、記入ください。
ツイッターがうざすぎた
もっといろんな人を見たかった。もう少しブース数を増やしてほしい。
アットホームな雰囲気がよかったです。続けてください。
こんなに一堂に色々そろえて、気軽に話が出来る場が大変よかったです。
まわりやすいし親しみやすくてよかったです。
見本誌コーナーが見やすくてよかったです。
距離感が近すぎて、見るとき緊張します。
搬出伝票くらいは用意してほしかったです
埼玉から来ました
見本誌やウェブでの試し読みが十分に出来たので、購入してから合わないということがなく、じっくり選べたのがよかったです。
駅から近かったのが来やすくてよかったです。
欲しかった本の売り切れがありました。もう少し多くてもよいのでは?

→次回に向けての参考とさせていただきます。

3.当日までの話
さて、数字とアンケートを踏まえたうえで、当日までの話に入ります。
当日までは、主にウェブサイトとツイッターにて宣伝活動をしておりました。
ウェブサイトは前回よりは分かりやすくなったと思いますが、
アンケートで「探しにくい」との意見をいただきましたので、
次回は改善しようと思います。

ウェブサイトのメインとして、「推薦文」という制度があります。
これは本を読んだことがあるひとが、その本の「推薦文」をウェブに投稿して
宣伝を後押しできるようにする仕組みです。
あまぶんの1つの理想として、「(宣伝しなくても)いい本は売れる」という
ものがあります。
できるだけ、本を作ることだけに集中してほしい。
推薦文はそのために導入した仕組みで、
前回の205件を上回る280件の投稿をいただきました。

ただ、推薦文ですと、過去に販売された書籍の後押しにはなっても、
新刊や、新しく出店される方にとって不利になります。
これを改善するため、今回、zine展inBeppuさんを参考にして、
ブース出店者さんが「一押し書籍」を設定できるようにしました。
「一押し書籍」については、事務局より下記のサポートを行いました。

a.公式推薦文の投稿
b.ポストカード作成
c.朗読音源の公開

公式推薦文はにゃんしーが担当しました。
文章を送ってもらい、こちらで読んだうえで推薦文を書くという仕組みでした。
50出店者中、希望のあった26の出店者さんについて
推薦文を投稿させていただきました。
「面白い」「面白くない」の2軸ではなく、
「どういうひとにこの本を届けたいか」というのを意識し、
必要なひとにその本が届くような推薦文を書いたつもりです。

ポストカード作成は泉由良が担当しました。
自分でデザインされた方もおられますが、
殆どはこちらで文章と合うデザインを作成しました。
ポストカードは、セブンイレブンネットプリントから
くじという形でランダムに出力されるようにしました。
50出店者中、希望のあった22の出店者さんについて
ポストカードを作成しました。
1ヶ月間で175件の出力がありました。
「ポストカードを見てその本が気になった」という方もいらっしゃいましたので、
少しでもサポートになっていれば幸いです。

朗読音源は泉由良が担当しました。
50出店者中、希望のあった12の出店者さんについて
朗読音源を作成しました。
耳で文章を体験することで、新たな出会いを演出できていれば嬉しいです。

会場に来られないお客様のため、
ウェブ上でも通販で書籍を購入できるようにしました。
36名の方から計201冊の注文をいただきました。
通販のシステムはそれなりに使いやすかったと思うのですが、次回の改善課題です。
通販の注文数は各出店者さんの管理ページより
リアルタイムで確認できるようにしており、
搬入数の目安を確認するのに役立ったのではないかな、と思います。

4.当日の話
さて、いよいよ当日の話。

まず、前日の11~16時に同じ会場で見本誌試し読み会が行われました。
誰かがおっしゃったようにまるで図書館のように、静かに見本誌を読む場です。
来場された方は主にブース出店者さんでした。
当日はゆっくり本を選べないと思うので、
そういう方にとって本を見つける機会になったのではないかと思います。
どの本を買うか目星をつけるため、チェックシートを配布しました。

試し読み会のあと、前日設営が3時間ほどありました。
あまぶんは「だらけ」の名のとおり、
できるだけゆっくりのんびりしてほしいという思いがあります。
ですので、設営時間も長くとります。
後で足りないものを買い足したりとかもできますし、
前日設営は出店者さんにとってやさしい仕組みだったのではないかと思います。

そして、当日。
イベント開始までに、2時間の設営時間がありました。
当日の設営時間も長くとっています。
ゆったりのんびり設営をしたあと、11時に開場しました。

開場とともに入って来られるお客さまが結構いらっしゃいました。
11~12時の時間がいちばん混んでいたように思います。
見本誌コーナーはたくさんひとがいましたし、
委託販売にも行列ができました。

あんまり写真を撮ってはないのですが、見本誌コーナーはこんな感じでした。

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そんなに見本誌コーナーが人気と思わなくて(すみません……)
工夫といえるのは、一押しの見本誌だけ場所を分けたことと、
壁にポストカードのデータを貼って見栄えよくしたことくらいかと思います。
次回はもっと見やすくしようと思います。
しかし出店者さんたちが見本誌に素敵なPOPを貼ってくださいましたので、
とても華やかな場所になりました。

アンケートのとおり、委託販売コーナーも人気でした。

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委託販売の販促となるよう、
各委託出店者さんのブースを45x45cmの大きさで作り、
そこに出店者さんに作成いただいたポスターを貼り、
ポストカードを無料で持って帰れるようにしました。
各書籍や出店者さんの魅力が伝わりやすく、
欲しい本が探しやすくなったのではないかと思います。
ポストカードも人気で、73枚がもらわれていきました。

一般の委託販売とは別に「尼崎セレクト」「白昼社委託」という
企画委託もありました。

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企画委託の頒布数はトータルとしては悪くなかったのですが、
もっとテーマ性をもたせたほうがいいのかな、など次回に向けて考えています。
ドラゴン本ばかりを集めたドラゴンフェアとか。

場内の雰囲気としては、
11~12時がいちばん混雑していて、
ほかの時間はわりとおだやかであったかと思います。
人が多すぎるわけでもなく、ないわけでもなく。
泉由良のセレクトしたBGMを小さめの音量で流していました。
過ごしやすく、本を選びやすい空間であったのではないかな、と思います。
アンケートでも、場内の雰囲気については好印象でした。

会場は、一般ブースをだらけブースが囲う作りでしたが、
これがなかなか面白かったのではないかなと思います。
一般ブースとは、机を置いて普通に本を頒布するブースですが、
だらけブースとは、180x180cmの床だけを出店者さんに渡して
そこで(規約のかぎりで)何をしてもいいという自由なブースです。
テントが立ってその場で淹れた珈琲を飲んでるサバイバルな人がいたり、
なぜか裁判所もある商店街が並んでたり、
列車が走ってたり、
笹が立ってたり、
インスタレーションのごとく床が文字で埋め尽くされてたり。
おとといあさってのらしさんが、「うそあま」というゲームをされており、
これが大好評だったようです。
だらけブースは広いですし、文学を身体全体で楽しめる場なので、
今後も拡張していきたく考えています。
(ちなみにだらけブースの申し込みは、開始後数日で埋まった記憶です)

何人かの方が感想で書かれてくださっているとおり、
尼崎文学だらけの11~16時は、総じて楽しい時間であったのではないかと思います。
楽しい雰囲気のなかで買った本は幸せな気持ちで読めますし、
そのぶん楽しめると思います。
そういう空間を作れたのは、出店者のみなさまのおかげだと思いますので、
改めてありがとうございました。
本を購入された方々、尼崎文学だらけでの時間が、
いい出会いになっていれば幸いです。

16時からは撤収で、撤収がおおむね落ち着いたあたりから、朗読会が始まりました。
池上宣久さん・八和詩めぐむさん・まめさん、という詩人の方が朗読されたあと、
泉由良・にゃんしーのスタッフの朗読が続き、
そのあとに自由参加の朗読があり、6名の方に朗読していただきました。
耳で文章を味わう、声に出して文章を表現する、というのは
ふだんあまりしないことだと思うので、新たな発見につながっていれば嬉しいです。

18時からは打ち上げでした。
こちらでもびっくりしましたが、びっくりするほど豪華でした。。
大皿で2皿あったおすしが一瞬で消えました。。
飲み放題のお酒もけっこうな種類がありました。
会場を移動せずにその場でできるのもよかったですし、
場内も広く、ゆったりお話できたのではないかと思います。

20時に打ち上げが終了し(打ち上げの2時間がすごく早く感じました)
最後に残った机を撤収して(手伝ってくださったみなさま、ありがとうございました)
無事閉会となりました。

5.まとめ
もちろんひとによっていろんな意見・感想があると思いますが、
総じて、いいイベントだったのではないかな、と自負しています。
「本を読むこと・書くことを楽しめるイベントにしたい」というのを
掲げて行っている「尼崎文学だらけ」ですが、
ある程度は達成できたのではないかな、と。
改善点も多くあります。
やっぱり、一般来場者の数はもっと増やしたいですね。

今回の、あまぶんでの出来事が、読むひとにとっても、書くひとにとっても、
本をもっと楽しめる契機になっていれば嬉しいです。
あまぶんは常に、本を生かす場でありたいです。

さて、次回に関してですが……
正直まっっったく何も考えてないんですよね。。
来年は6月に静岡文学マルシェさん、
7月にテキストレボリューションズさんがあるらしいので、
夏の開催は無理だな、春だともう会場が抑えられないな、くらいは
考えてはいるのですが。。

今回の「尼崎文学だらけ」は、
「尼崎文学だらけ2」ではなく「尼崎文学だらけ~夏祭り~」という名前でした。
ナンバリングしていない理由は、毎年必ずある恒例イベントではなく、
1回1回が最初で最後、
すべてを注ぎ込むイベントでありたいという気持ちから来ています。
やっぱりそのほうが、参加してくれた人が楽しいですから。

なので次回については全く構想がないのですが、
まあ、なにがしかまたあるのでしょう。
本を書くのも読むのも好きですし。
ほかにもそういう人がいるかぎり、あまぶんはまたあると思います。
またお会いしたときにでも、ブログやツイッターなどでも、
あまぶんの感想を伝えてくれると嬉しいです。
それは次回に向けての励みになりますので。

感想といえば、N.Riverさんがあまぶんの感想をツイッターのモーメント機能で
まとめてくれました。

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来場者さんにも、出店者さんにも、
来られなかった方にも、宣伝に協力してくださった方にも、
いろんなひとに協力してもらってできたイベントでした。
改めて、ありがとうございました。

「尼崎文学だらけ~夏祭り~」はこれにて終わりとなりますが、
本を読み終わるまでが「あまぶん」ですので、
たくさん読書を楽しんでくださいますと幸いです。

―――(2017/09/06:追加)―――

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